\ お気に入り /
(1)公立「普通科の高校(全日制)」への進学

(1)公立「普通科の高校(全日制)」への進学
高校で学べる内容は?〈【公立】普通科(全日制)〉
高校への進学を検討するわけですが、そもそも「何のために学校へ行くのか?」と言えば、「何かを学ぶため」ということになるかと思われます。
学ぶ内容としては、
□ 英語・数学・国語などの科目を学ぶ(大学などへの進学、社会に出ていく準備として)
□ 専門的な内容を学ぶ、資格を取得する(趣味・興味の充実、将来の就職を見据えて)
□ 好きなクラブや部活、学校生活全般を通じてコミュニケーションを学ぶ(人間的成長、社会に出ていく準備として)
ということなどが挙げられます。
公立「普通科の高校(全日制)」で学べる内容は、英語・数学・国語といった科目の学習が中心で、範囲は高校生の学習範囲。基本的には大学・短大などへの進学を目指す人向けのカリキュラムになっています。
進学後、どんな支援・サポートがあるか?〈【公立】普通科(全日制)〉
- 学習面に関するサポート
- 学校生活・コミュニケーションに関するサポート
- 環境・心理面でのサポート
3つの視点で見てみます。
基本的には公立の小中学校と同じスタイルで進んでいきます。スクールカウンセラーに関しては、まだ全校に配置ということではなく、各学校での勤務日数も週に1,2日程度であることが多いという現状です。
〈【公立】普通科(全日制)〉 どんな支援・サポートがある? | |
---|---|
学習面に関するサポート | 特になし(集団授業・高校生の学習範囲) |
学校生活・コミュニケーションに関するサポート | 特になし(おおむね公立の小中学校と同程度) |
環境・心理面でのサポート | 担任の先生やスクールカウンセラーへの相談 (半数以上の高校にはスクールカウンセラーが勤務) |
児童生徒の教育相談の充実についてー生き生きとした子どもを育てる体制づくりー(文部科学省)
参考)全国高校アンケート調査(文部科学省)[PDF]
参考)障害のある子共の教育支援の手引き~子どもたち一人一人の教育的ニーズを踏まえた学びの充実に向けて~合理的配慮に関して[PDF](P30=データP20)
入試の方法は?難しい?〈【公立】普通科(全日制)〉
〜入試の方法は?〜
(1)「公立・普通科」の一般入試は、多くの学校で<学力検査>と<内申(調査書)>での総合選抜です。
学力検査 | 入試当日の学力試験の得点のこと。入試の難易度は、英数国理社の5科目、中学校3年間での学習範囲が教科書の範囲内からまんべんなく出題されます。 |
(調査書) | 内申在籍中学校の先生が作成する「生徒の学校生活の態度と成績」に関する書類。これまでの中学校での成績、活動への取り組みなどが記されるもの。 |
各高校により、<学力検査>と<内申(調査書)>のどちらを重視するかがあり、
学力検査:内申(調査書) =7:3 | 実際に、どれくらい勉強ができるか? を特に重視する学校 |
学力検査:内申(調査書) =6:4 | これまでの中学校での成績、取り組みも重視する学校 |
また、一部の学校では「自校作成問題」を実施するなど、各学校の基準があります。
最近では<原則すべての受験生に面接を課す>という都道府県が増えおり、<面接>では「主体的に取り組む態度(学習意欲)」が問われ、生徒本人の意欲などを把握する材料とされています。
(神奈川県・静岡県・高知県・徳島県・佐賀県など)
*中学校を不登校にしている場合、<内申(調査書)>の成績がつかず、公立「普通科(全日制)」の受験ができないということがありえますが、進路の候補はあります。
「不登校の子の高校受験」(まもなく公開予定) も参考にしてみてください。
〜入試の難易度は?〜
入学を希望する受験者の中から、成績の優劣で上位から順番に定員までが合格という仕組み。定員までは合格ですので、その学校の受験倍率が低い場合(定員割れ)、成績が低くても合格ということがありえます。
※一般入試(当日の試験で合否を決める学力選抜)以外に、「推薦入試」や「特色選抜・前期選抜」など、一般入試とは異なる基準で合否を決める方法を採用している都道府県もあります。
卒業後の進路は?〈【公立】普通科(全日制)〉
卒業後の進路〈【公立】普通科(全日制)〉 | 割合 |
---|---|
大学・短大への進学 | 69.1% |
専門学校・職業訓練校などへの進学 | 19.4% |
就職 | 6.6% |
大学・短大、専門学校・職業訓練校など、全体のおよそ9割が進学をしており、進学を目指す生徒向けのカリキュラムで進んでいるということが、わかるかと思われます。
〈まとめ〉
学べる内容/進学後のサポート/入試の方法/卒業後の進路を見てきました。公立高校への進学に関しては、内申との兼ね合いなどを含め、在籍中学の先生との相談が重要ということになります。
私立高校・通信制サポート校・高等専修学校に関しては、保護者(生徒本人)が自分で調べながら、積極的に動いていくことが重要となります。


最後に、子どもたちの成長と直接の関係はないけれど重要な、学費に関する内容も大まかに記載しておきます。
学費はどれくらい?〈公立「普通科(全日制)」〉
学費というと、授業料のみをさす場合もありますが、ここではもう少しリアルに、授業料以外の費用(教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、教科外活動費、生徒会費、PTA会費、入学学用品費、修学旅行費、通信費等)を含めた、「年間の教育費」を見ていきます。
まず、「年間の教育費」は下記となっています。
公立高校の学校教育費 | 私立高校の学校教育費 |
---|---|
約31万円 | 約75万円 (各学校により、大きな差がある) |
ほか、学費に関連する内容として、「高校無償化」と呼ばれているもの、制度を2つ紹介しておきます。いずれも返済不要の支援金・給付金です。
① 高等学校等就学支援金 | ② 高校生等奨学給付金 |
---|---|
年収の目安・約910万円未満が対象 | 生活保護受給世帯・非課税世帯が主な対象 |
① 「高等学校等就学支援金制度」
高校無償化は、公立高校・私立高校のどちらに通う生徒でも対象となります。全日制、定時制、通信制も問われません。この制度(高等学校就学支援金)は、高校に通う生徒(保護者)が、原則、高校入学後に高校を通じて国に申請を出すことで受け取れる「返還不要の支援金」です。
② 「高校生等就学給付金」
さらに、<非課税世帯・生活保護受給世帯>を対象に、「高校生等就学給付金」という制度もあり、「返還不要の給付金」になっています。
各都道府県の問い合わせ窓口のリストを下記に掲載しておきます。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/detail/1353842.htm
もう少し詳しく知りたいという方は、下記の記事も参考にしてみてください。
