(5)私立「普通科の高校」「専門科のある高校」への進学

目次

(5)私立「普通科の高校」「専門科のある高校」への進学

高校で学べる内容は?〈私立「普通科・専門科」の高校(全日制)〉

高校への進学を検討するわけですが、そもそも「何のために学校へ行くのか?」と言えば、「何かを学ぶため」ということになるかと思われます。

学ぶ内容としては、

□ 英語・数学・国語などの科目を学ぶ(大学などへの進学、社会に出ていく準備として)
□ 専門的な内容を学ぶ、資格を取得する(趣味・興味の充実、将来の就職を見据えて)
□ 好きなクラブや部活、学校生活全般を通じてコミュニケーションを学ぶ(人間的成長、社会に出ていく準備として)

ということなどが挙げられます。

進学後、どんな支援・サポートがあるか?〈私立「普通科・専門科」の高校(全日制)〉

  • 学習面に関するサポート
  • 学校生活・コミュニケーションに関するサポート
  • 環境・心理面でのサポート

3つの視点で見てみます。

学習面に関するサポート
※特になし
・一部の高校では、習熟度別の授業を行っていることなどがあります。
・一部の高校では、タブレットやオンラインシステムの積極的な活用などICT教育を実践していることがあります。
スクロールできます
学校生活・コミュニケーションに関するサポート
※特になし(各学校による取り組み次第)
環境・心理面でのサポート
スクールカウンセラーへの相談など(常駐の場合もあり)

☆私立の高校は「発達障害を持っている生徒を全面的にサポートしています」と大きく打ち出している学校はほとんどありませんが、「普通科の高校」にも「専門科のある高校」にも、これまで発達障害を持っている生徒や不登校を経験した生徒の受け入れをしており、授業の進め方、クラスの人間関係づくりなどの経験が豊富な、面倒見のよい学校も少数あります。

入試の方法は?難しい?
〈私立「普通科・専門科」の高校(全日制)〉

〜入試の方法は?〜

私立の高校は「普通科の高校」でも「専門科のある高校」でも、一般入試は、基本的に当日の試験の結果、<学力検査>のみで合否を判定します。<内申(調査書)>は合否判定には無関係という学校が多くあるということです。

一方で、公立高校と同様に<内申(調査書)>の内容も加味するという学校もあり、特に推薦入試に関しては、多くの場合<内申(調査書)>が重視されます。

<学力検査>の内容は、英語・数学・国語の3教科ということが多いですが、そのうちの2教科を選択する制度を取り入れている学校もありますし、面接を実施して合否を判定する材料にするという学校もあり、小論文(作文)を課す学校もあります。

要するに、私立の高校の入試の方法は「完全にその学校次第」ということになりますので、興味を持った学校があれば、それぞれの学校の募集要項を見て確認する必要があります。

〜入試の難易度は?〜

各学校の方針や校風、偏差値を目安に、入学を希望する受験者の中から、成績の優劣や学校の方針に合うかなどで合否を判定完全に各学校の基準によります。

卒業後の進路は?〈私立「普通科・専門科」の高校(全日制)〉

「普通科の高校」の卒業後の進路は、下記となっています。
※「進学」を目指す学校が多く、一部「就職」にも力を入れている学校がある。

「普通科の高校」の卒業後の進路割合
何らかの形で進学する生徒88.5%
┗ 大学・短大への進学69.1%
┗ 専門学校・職業訓練校などへの進学19.4%
就職6.6

次に「専門科のある高校」の卒業後の進路は、下記となっています。
※「普通科」に比べると、「就職」の割合が高くなる。「進学」も、高校で学んだ専門的な内容をさらに深める、資格の取得を目指すなど、その先の「就職」に向けての進学が多く含まれる。

「普通科の高校」の卒業後の進路割合
何らかの形で進学する生徒49.6%
┗ 大学・短大への進学24.0%
┗ 専門学校・職業訓練校などへの進学25.6%
就職47.8

参考)高等学校卒業者の学科別進路状況・2022年度(文部科学省)

〈まとめ〉

学べる内容/進学後のサポート/入試の方法/卒業後の進路を見てきました。私立「普通科の高校」「専門科の高校」の全体の傾向に過ぎません。具体的に一つひとつの学校を見て、「子どもに合いそうな学校」=「進路候補」を見つけていきましょう。私立高校・通信制サポート校・高等専修学校の入試に関しては、保護者・生徒本人が自分で調べながら、積極的に動いていくことが重要です。下記一覧もご活用ください。

最後に、子どもたちの成長と直接の関係はないけれど重要な、学費に関する内容も大まかに記載しておきます。

学費はどれくらい?〈私立「普通科・専門科」の高校(全日制)〉

学費というと、授業料のみをさす場合もありますが、ここではもう少しリアルに、授業料以外の費用(教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、教科外活動費、生徒会費、PTA会費、入学学用品費、修学旅行費、通信費等)を含めた、「年間の教育費」を見ていきます。

まず、「年間の教育費」は下記となっています。

公立高校の学校教育費私立高校の学校教育費
約31万円約75万円
(各学校により、大きな差がある)
※個別での検討が必要
公立高校・私立高校:年間教育費比較

参考)令和3年度子供の学習費調査の結果(文部科学省)

ほか、学費に関連する内容として、「高校無償化」と呼ばれているもの、制度を2つ紹介しておきます。いずれも返済不要の支援金・給付金です。

① 高等学校等就学支援金② 高校生等奨学給付金
年収の目安・約910万円未満が対象生活保護受給世帯・非課税世帯が主な対象
公立高校・私立高校:年間教育費比較

① 「高等学校等就学支援金制度」
高校無償化は、公立高校・私立高校のどちらに通う生徒でも対象となります。全日制、定時制、通信制も問われません。この制度(高等学校就学支援金)は、高校に通う生徒(保護者)が、原則、高校入学後に高校を通じて国に申請を出すことで受け取れる「返還不要の支援金」です。

参考)私立高校授業料実質無償化リーフレット[PDF]

② 「高校生等就学給付金」
さらに、<非課税世帯・生活保護受給世帯>を対象に、「高校生等就学給付金」という制度もあり、「返還不要の給付金」になっています。

各都道府県の問い合わせ窓口のリストを下記に掲載しておきます。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/detail/1353842.htm

各都道府県・自治体による独自の支援制度(「私立高校無償化」など)
各都道府県(場合によっては市区町村単位でも)も、国の制度とは別に独自の支援制度を設けています。国公立の高校と比べ、私立の高校は授業料が高いため、私立高校へ在籍する生徒に向けての支援し、経済的な理由で私立への進学を諦めずに済むようにという方針です。

支援を受け取る条件となる「世帯の収入の要件」や、実際に支給される金額は各都道府県により異なります。

その他の学費負担軽減の制度
上記のほか、学校によっては、

・これまでのスポーツなどでの活動実績、成績の優秀さなどを条件に<特待生制度>
・保護者が卒業生である場合の<卒業生子女奨学金制度>
・兄弟姉妹が在籍していた(在籍している)ことを条件とした<兄弟姉妹奨学金(入学金の減免など)>

を用意している場合があります。

進路として、私立高校、通信制サポート校、高等専修学校を検討している場合は、各学校との個別相談や学校訪問の際に「就学支援金」「奨学金」「特待生の制度」についても聞いてみましょう。

もう少し詳しく知りたいという方は、下記の記事も参考にしてみてください。

公立・普通科~私立・通信制サポート校 / 6カテゴリーへの進学の様子

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